こんにちは。
宝塚市のマシンピラティス スタジオstudio Y (スタジオイグレック)です。
当スタジオでは、姿勢改善や肩こり・腰痛などの不調緩和からボディメイクをはじめ、
バレエやダンスをされる方のトレーニングや、コンディショニングとしてのピラティスもご提供しています。
ピラティスを通して、より動きやすいからだづくりをしていきましょう。
今回は、バレエやダンスをしているとよくよく出てくるフレーズ「引き上げ」。
「引き上げて~」「引き上げが足りないからだよ~」などと言われながら育ってきている方、多いのではないでしょうか。
今回は、これに対してピラティスでどのように対応していけるかを、少し書いていきたいと思います。
いろいろあるとは思うのですが、ざっくり。ほんの一部分です。
Contents
どうやって引き上げをしているのか?
「引き上げ」というワード
これが具体的にどういったことを指すのかと改めて考えてみると、迷ってしまう方も多いのではないかなと思います。
言われるのが当たり前すぎて、深く考える機会もあまりないかもしれません。
ですがこのフレーズ、具体的なようでいて、実は抽象的ですよね。
どこをどうやって引き上げるのか。
・いつ使うのか。
・ルルベに立つとき?
・バランスを取るとき?
・ジャンプのとき?
・はたまた常に使うのか。
わたし自身は一体どうしていたかな、と考えると、
やり方としては具体的な方法はいまいち良く分からず、
「感覚的になんとなく上の方に引っ張る!」
とか、
「つむじを天井に!」
など、長いラインを意識することをしていたように思います。
おそらく、こういったイメージになり易いのではないでしょうか。
その認識が間違っているわけでは全く無いのですが、
身体のアライメントが良くない場合においては単なる上ずりになってしまって、逆にバランスが取りにくくて不安定、というケースもあります。
腰や肋骨のあたりから反っているだけなことも多いと思います。
これをすると、上がった!上げてます!という感じがしますよね。
このようなイメージは全て上半身メインの意識となりますが、実際はどうでしょうか?
実際の引き上げの意味とは
わたしがピラティスを始めてから、そしてダンサーのクライアントさんをたくさん見させていただく中で気が付いたこと、
引き上げって要するにこういうことかも、と気が付いたことがあります。
それは、
✓上半身と下半身が繋がっているか
✓「引き上げ」には上半身だけではなく、下半身をどれだけ押せているかが大切
ということです。
上がるためには、地面を適切に押せていなければならず、押すだけの筋バランスが整っているのか、押すに値するポジションが取れているのか、
といった点が下半身にも注目すべき理由です。
上げるイメージだけではどうにもならず(一部、もともとうまく取れている方もいらっしゃるかとは思います。)、重力に対して良いポジショニングが取れているかを身体に再確認させることが、まず前提条件として必要となります。
重力下で行動していれば、当たり前のことではありますが「上げる」というワードから、上へのイメージばかりになりがちです。
これは、踊りをしていない時にももちろん当てはまり、地球上で生活している限り共通してきます。
姿勢に関してもそうです。
■POINT
引き上げのためには、下半身も使って床を適切に押せていること
ピラティスでできること
では、ピラティスがこの引き上げにどう活かせるかについてです。
ピラティスが他のエクササイズメソッドやトレーニングと違う点として、「押す」というコンセプトを強く意識したり練習したりできるバリエーションが豊富、という点があげられます。
さらに、その力加減をマシンのスプリング(バネ)を調整することにより変化させることができます。
マシンを使用したエクササイズでは、押さないと上がることができない!というものがいろいろと出てきます。
また、押すだけではなく、抵抗を感じたまま戻る、というコントロールも自然と行うことができます。
コントロールで戻らなければ、急激に跳ね返ってしまう動きとなって表れます。
このようなスプリングの負荷を利用したエクササイズは、伸び感や引き上げを理解する手助けとなります。
ピラティスは全身を統合させるエクササイズなので、上半身と下半身をつなげる感覚や位置関係を体得することにも大変適しています。
スプリングは重ければ良いというわけでは無く、重すぎると固めて使うような動きになったり、どこかにその代償が出てしまったりするケースもあります。
逆に軽い方が抵抗が少なくなる分、自身の力やコントロール、バランス力が試されるものもあります。
このあたりの設定は、クライアントさんの状態や筋バランスによって変えていく必要があります。
エクササイズ例
具体的なエクササイズ例は、また別記事として改めたいなと思っていますが、ざっくりこんな感じで使っていますというご紹介を少し。
それぞれのピラティスマシンについては、STUDIOページも併せてご覧ください。
・チェア
踊りの中で活かしやすいものとしては、立位下で行うことのできるチェアが優れていると思いますので、ダンサーさんセッションではよく登場します。
上半身に不調があり、そのコンディションが思わしくないときにも使いやすいマシンです。
ペダルを使用して上に上がるような動きを作り出すことができるエクササイズが豊富なピラティスマシンですので、重力に対して“物理的に上がる”感覚を合わせて掴みやすいと思っています。
・リフォーマー
土台が不安定になりますので、引き上げの感覚練習に関しては下半身と上半身がある程度繋がっていることが確認できる場合に適していると思います。上げる感覚の理解には、臥位よりも立位や膝立ちのポジションでのエクササイズの方が分かり易くなります。
・タワー/キャデラック
臥位や座位が多くなるマシンですが、上体が空間に浮いたポジションや、身体が長い状態で行えるものを選択して空間認識能力や伸び感の獲得に。
・マットワーク
マットワークのみだと、(所謂)引き上げの感覚をはっきりと認識して踊りや日常生活にばっちりはめていくのはもしかしたら難しいかもしれません。
なぜならピラティスのマットワークはスタンディング(立位)でのエクササイズバリエーションがかなり限られてくるからです。
じゃあスタンディングのエクササイズを入れたら良いのではないか、となるかもしれませんが、それがうまくいっていたらおそらく、もう引き上げはできているはずです。
立つといつも通りのポジショニングで動きやすくなります。
これまでの運動経験が豊富な方、踊りやスポーツをされている方は特にあてはまります。
どのような動きでも同じですが、一度特定の使い方が身につくと、どうしてもそのまま使うようになります。
それを修正するには、脳から筋肉への指令をもう一度書き換えなければなりません。
「こうやって使う」という回路が脳と身体に出来上がっていることが多いので、自分だけで新しい使い方や感覚を習得しようとするのは難しく、効率が悪い場合があります。
良いボディマッピングのためには、マシンのスプリングを利用して感覚を探っていき、動きやすいところを体感していくことが近道です。
遠回りをしても別に良いのかもしれませんが、ご活躍されるであろう期間がある程度限定されている場合や、目標とする期限などがおありの場合は、できるだけ早くに身に付けることができるほど良いはずですので、マシンや指導者の力を存分に借りてほしいと思います。
マシンとの併用により、自分で押す感覚や正しい位置、伸び感などが身についている場合は、マットエクササイズももちろんありです◎
自分でできれば、特別な準備も外出も不要なので取り組みやすいと思います。
ダンサー特有の姿勢について
下半身から上半身の正しいポジショニングが正しく出来ているかという点については、解剖学的な視点はあくまでも理想の話です。
踊りをされている方特有のボディポジション、というものは往々にして存在します。
それを解剖学上の人体図などに当てはめて考えて修正しようとすると、またちょっと違った問題が出てきてしまう可能性がありますので注意が必要です。
具体的には、今まで取れていたバランスが分からなくなってしまったり、出せる可動域が狭まってしまうことにより不完全燃焼感を生んでしまったり、考えすぎて動きがぎこちなくなってしまったり・・・。
何よりご本人が混乱してしまうことがあります。
動きへの影響を大きく与えることになりますので、
ダンサーの身体的特徴や、ダンスで出てきやすいムーブメントを理解している指導者にトレーニングを頼むようにしてください。
具体的にどのような特有のポジショニングがあるかについては、また別に書きたいなと考えています。
まとめ
「引き上げ」には
・下半身と上半身の繋がりを感じられているか
・良い位置で床を押すことで上に上がる
・マシンを利用して、押す感覚を身に付ける
このようなことを意識してトレーニングやレッスンに取り組むことがおすすめです。
全ての方に大切な引き上げ
ここまで書いてきました引き上げ感、踊りをされる方以外の方にももちろん良く作用します。
例えば、ただ座っている、立っているだけでも常に重力を受けている訳ですが、
自然と上へ引きあがるような身体の使い方、ポジションが取れていると、腰痛や姿勢不良などの不調から解放される大きな手助けとなります。
そもそも「姿勢」というのは、重力下でどういうふうに骨をポジショニングしているか、ということです。
もし、あまり良くないポジションがあると、重力に抗うための筋力が年々減少する過程において歪が発生し、その代償としてどこかに痛みや不調として出てくることが考えられます。
適切な運動を継続し、筋力の保持や、正しい使い方、動かし方を身体に覚えさせることに、ぜひ取り組んでいきましょう!
今回も、ここまでお読み下さりありがとうございます♡