ダンサーから支持を得たピラティス
「ピラティスのルーツはリハビリである」とはよく言われますが、それは戦時中(第一次世界大戦中)のことであり、
実際にはピラティス氏がその後、アメリカ・ニューヨークへ移住したのち、多数のダンサーたちから絶大な支持を受けたことにより、徐々に広まりをみせていきました。
ニューヨークにスタジオを構えることになったピラティスのもとには、バレエダンサーや舞台・映画俳優、振付家が顧客として通っていたといわれています。
ピラティス氏より『コントロロジー』(当時のピラティスメソッドの名称)を習うと、「ケガの回復が早く、早期に復帰できた」「ケガをしにくくなった」「パフォーマンスが上がった」などという評判が、口コミで広がっていきました。
当時、ピラティス本人から直接指導を受けていた指導者たちの中にもダンサーが存在するほか、
現在でも多くの海外バレエ団にてピラティスでのコンディショニング、トレーニングが取り入れられています。
さらに、プロダンサーやパフォーマー、舞台人、モデルや俳優に限らず、アスリートにまでピラティスが活用されている事実は、ピラティスが単なる流行のエクササイズに留まることなく、パフォーマンスを上げ、ケガを予防し、着実に効果が得られることを証明しているのではないでしょうか。
バレエだけでなく、ジャズダンスや社交ダンス、フラメンコなど様々なジャンルのダンスや、新体操やフィギュアスケートなど、高度な身体表現を必要とする競技をされる方にも適したメソッドです。
マシンピラティスはダンサーのコンディショニングに適します
ピラティスでは、単に筋肥大を目的としたトレーニングではなく、筋のトーン(張り)を保ち、長い状態で使えるようにしていく方法が取り入れられているため、
柔軟性を保ったままでの筋強化が行えます。(極端なウエイトを用いた筋強化は、身体の硬さも生みやすくなります。)
そのため、通常よりも柔軟性が必要とされるダンサーや、アスリート、そして女性にも大変適しているメソッドといえます。
ピラティスで使用するマシンでは、身体を様々な状態に置きながら全身をトレーニングすることができます。
ダンスでは基本的に、動きが止まっていることはなく動き続け、さらに様々な身体の体位・状況下で動かしていきます。
また、ダンスでの動きは複合的であり、非常に複雑な身体操作が必要とされます。
ピラティスマシンには、身体を動かすことにより、同時に台の部分が動くような作りになっているものもあり、ダンスやスポーツなどの運動下において、適切なコア(体幹)の安定ができるようにトレーニングしやすくなっています。
また、臥位(寝た姿勢)でのワークでは、重力の影響を最小限にしながらジャンプや足のアライメント(プレイスメント・位置配置)の修正・練習なども行うことができます。
脚の使い方は癖が出やすく、立位での修正はなかなか難しいものですが、マシン使用により、正しい使い方を身体に学習させてあげることが可能です。
これは、ケガ後のリハビリにも使用できるほか、今後のケガ予防にも非常に効果的です。
体幹部(コア)の引き上げが様々な状況で使えるようになると、バランス力向上はもちろん、ピルエットやフェッテなどの回転や、リフトに乗る際にも役立ちます。
また、柔軟性と適切なコアの筋力強化、適切な身体の使い方を知ることは、ハードな振付や公演などでの負荷や、オーバーユースによるケガを防ぎます。
ケガをする前にはその予防の重要性に気づきにくいものですが、ケガをしにくい身体づくりをすることは、長く快適に、そして持てる能力の全てを出し切って踊るためにはとても大切なことです。
普段のレッスンやお稽古だけでは補えない部分を、ピラティスを通してトレーニングし、強く、使える身体づくりをしていきましょう。
ダンス・バレエに合わせたピラティスプログラム
ダンスやバレエでは、通常の解剖学的な範囲からは大きく外れた可動域を求められることが多くあります。
日常では出てこないポジションでの動きが当たり前であり、だからこそ人は、そこに美しさを感じるのかもしれません。
また、ダンスジャンルや状況により、履いているシューズも異なりますし、必要な可動域も変わってきます。
当スタジオでは、そういった通常とのギャップを考慮しながらセッション内容を調整していきます。
舞台での活用をご希望の方には、
- テクニック・パフォーマンス向上
- ケガ予防
- 舞台で使える身体作り
この辺りに焦点を当て、ご希望やスケジュール感をうかがいながらご相談に応じております。
特別ダンサー用にプログラムしなくとも、普通にピラティスをやれば充分対応できるはず、
という考え方もありますし、実際にピラティスでは動きのバリエーションがとても多いため、どれを選択しても自然と踊りやスポーツに活かせるようになっていることも事実です。
しかし、活動にはある程度の期限がある場合も考えられますし、なるべく最短で目指すところにいきたい、というご希望を当然皆さまお持ちだと思います。
そういった心理状態を考慮しますと、実際の動きや問題点に対してより分かりやすいと考えられるアプローチや感覚入力を促していける方が良いのではないか、と考えております。
また、ブログ記事でもいくつか触れていますが、ダンサー特有の身体特徴というもの存在します。
スポーツやダンス経験のある方は、動きを真似するのが得意なことが多いため、エクササイズ自体が一見完成しているように見えたり、柔軟性に隠れて使えているかどうか判明しにくかったりする場合があります。
本当は内側でどのように身体を使っているのか、本当にそのやり方でうまく使えているのか等、代償運動の有無や、アライメントが正確であるかの判断をしなければなりません。
これには、ダンサーに起こりがちなアライメントや可動域、ケガのケース、また実際のダンスシーンで求められるポジションや動きを把握している必要がありますので、ダンサー対応経験のあるトレーナーとセッションを進め、意見を求めることも選択肢のひとつとしてほしいなと思っています。
ダンスで使用するものは「自分の身体」です。
職人が道具を手入れするように、ダンスではその身体自体をケアしなければなりません。
ご自宅でのケアやウォームアップに適したエクササイズ提案などもしておりますので、ご希望やお悩みなどはお気軽にご相談いただけましたらと思います。
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ピラティスでは、体幹部の安定や引き上げの感覚を覚え、ピルエットなどのターン系の安定やスピードアップ、軸の安定、伸びやかさを意識した身体の使い方を学び、より長い手脚の演出を目指します。
普段のバレエ・ダンスレッスンに加えて、もう一段階レベルアップを期待できます。
現役タカラジェンヌの方にもご利用いただいています。
※18歳未満の方は、保護者の方の同意が必要になりますので、事前に一度、お問合せください。
保護者の方のご同伴、ご見学も可能ですので、お気軽にご相談ください。
当スタジオトレーナーは、幼少よりクラシックバレエをしておりましたバレエ経験者ですので、用語等をお使いいただいてのご要望もお受けいたします。
バレエ・ダンスのためのピラティス活用についてBLOGでも随時記載していきます。